ローコード開発ツールとNFCを利用した
製造業における工程情報収集システムの実現

プロジェクト

お客様:  業種: ソリューション :
株式会社 トクサイ
新潟県
http://www.tokusai.co.jp/
⾦属製品

目的

  • 現場作業者が製造工程情報入力が簡単にできること
  • 工程が進み多種小ロットに分割されるたびに、必要な工程情報の転記をワンアクションでできること
  • 必要な工程情報を素早く見つけられること

成果

  • アジャイル型開発で、構想から6ケ月で運用開始
  • NFCカードをスマートフォンにかざすだけで工程情報を入力できるようにした
  • 毎日2~3人の担当者が1時間を要していた作業が、数秒で完了
  • お客様からの製品に対する工程情報の確認依頼に迅速に対応
  • 現場からのアイデアをシステムに取り入れ、短いサイクルでシステムを改善

 

 

(株)トクサイは、1950年に創業、各種金属および各種合金の伸線加工及び伸線・加工品の製造・販売を行っている会社です。太さ1mmの金属線を伸線・圧延(あつえん)・めっきや電解研磨等の表面処理を行い、線材(せんざい)・ピン・棒・帯等の製品を製造しています。特に難加工金属材の細線製造を得意とし、タングステン・モリブデン等の細線に関して、高度な技術を持たれている会社です。

(株)トクサイでは、2018年に3月に Magic xpa で NFCを利用した工程情報収集システムを開発し運用をスタートしました。はじめに、Magic xpa での工程情報収集システムの開発に至った経緯を WM1課 ダイス 係長 山賀 淑智 様 に伺いました。

 

納入先のお客様より、製品に対する工程情報の確認依頼が発生した時に、トレースが迅速に出来ず対応が遅くなっている問題がありました。その原因は、工程情報を手書きで管理している所にありました。

製品は工程が進むにつれて、どんどん細かく、いくつにも分割されて行きます。システム開発前は、その度に工程情報を手書きで転記を行なっていました。

最終工程になると転記する項目は、約20項目にもなります。担当者は一日に20~30枚も書く必要がありました。

結果、手書き伝票は一か月で大きなポリ袋一杯の量になり、そのような大量の伝票からのトレースとなってしまうため、お客様からの問い合わせに迅速な対応ができなかったのです。こうした状況を改善するために、システム化することになりました。”

 

 

“今後の展開としては、IoTを実現し品質の向上を図って行く予定です。Magic xpa を活用すれば、 簡単に短期間でIoTを実現できそうです。”

品質保証グループ部長 長崎 潔 様

 

 

“Magic xpa を使って、アジャイル型開発手法でシステムを開発。現場の方が使うこのようなアプリケーションの場合は、短いサイクルで要求ー開発ー検証を行いそれを繰り返すスタイルは、とても有効的であると感じました。”

WM1課 ダイス 係長 山賀 淑智 様

 

アジャイル型開発が現場の声を短いサイクルでシステムに反映

Magic xpa で開発し導入した 『工程情報収集システム』 の開発について、WM1課 ダイス 係長 山賀 淑智 様 に伺いました。

 

「工程情報収集システムを開発するにあたり、次の3つのことを目指しました。

1.現場作業者が簡単に工程情報の入力ができること

2.必要な工程情報を素早く見つけられること

3.集計や分析が行えること

 

これを実現するために、入力媒体は、NFCカードとバーコードの2つを比較し、汚れに強い理由からNFCカードを選定しました。

また、入力デバイスは、Wi-FiやNFCが標準装備されている理由から、現場作業者はAndroidのスマートフォンを使用し、計測器からのデータはBluetooth経由でタブレット端末に取り込むようにしました。

このシステム開発は、既存の生産管理システムを開発し弊社の事業を熟知している、奏風システムズ株式会社に依頼し、ローコード開発ツール『Magic xpa』を使って、アジャイル型開発手法で進めました。現場の生産性を上げることが今回のシステムの重要なポイントでもあった事から、現場の担当者にプロトタイプを実際に使ってもらい、現場の声を反映させながら、システム開発を進めました。

入力の画面操作や手順、項目やボタンの大きさ、表示位置等の細かい部分まで現場の担当者に確認をとり、何度も改修を重ねながら、構想から6ヶ月でシステムが完成しました。

その結果、ほとんど手入力なく工程情報がデータベースにリアルタイムに登録される仕組みができました。

【分割が発生するたびに手書き伝票を転記】

【分割が発生するたびに手書き伝票を転記】

1時間の転記作業が数秒に短縮

Magic xpa で開発したシステムの効果について、 WM1課 ダイス 係長 山賀 淑智 様 に伺いました。

 

手書きの伝票が無くなったのが最大の効果です。現場で転記していた担当者にはかなりの負担軽減になりました。最終工程になると20項目程を転記して、一日20~30枚の伝票を毎日書いていましたが、ボタンを押すだけでデータが引き継がれた伝票が出てくるようになりました。

その結果、毎日2~3人の担当者が1時間程を要していた作業が、数秒で終わるようになりました。

また、納入先のお客様より、製品に対する工程情報の確認依頼が発生した時に、迅速に対応することができるようになりました。加えて、工程情報のリアルタイム入力で、進捗状況の把握がスムーズになり、進捗管理が容易になりました。”

 

最後に、今後の展開について、品質保証グループ部長 長崎 潔 様 に伺いました。

 

 

今後の展開として直ぐにでもやりたいことは、IoTの実現です。例えば、マシンの稼働状況や条件が瞬時に把握できれば加工している製品品質と関連付けしやすくなり、品質向上や改善のスピードアップにつながると考えています。”

 

 

 

NFCカードを「かざす」だけの工程情報収集システム

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