クラサバとWebシステムの長所を合わせ持つRIA
セコムグループの一社である、セコムテクノサービス株式会社は、オンライン・セキュリティ のためのセキュリティシステム工事及び、建物設備のメンテナンスを行う会社です。これらの事業を柱に、建物設備工事やエンジニアリング、マンションセキュ リティ、安全商品の販売など、ビルやご家庭の安全・安心・快適を支えるサービスを提供しています。セキュリティ機器に精通した同社は、長年蓄積してきた高 度な技術、ノウハウを駆使し、社会へ「安全・安心」をお届けするセコムグループの一翼を担っています。
同社では、従業員が取得している資格を管理する、『資格管理システム』と、社内のクラサバ で構築されていた『経理支払依頼システム』をMagic uniPaaSでRIA化を図りました。その経緯について、企画審査室情報システム課係長 三宅 騰氏は、次のように振り返ります。
「これまで当社では、Magic V8によるクラサバと、Magic V9によるWebシステムという二本立てでシステム開発を行ってきました。どちらも一長一短がありますが、V8のクラサバは、全事業所のパソコンに配布す るプログラム更新作業に手間がかかるという短所があります。一方、V9のWebシステムは、ユーザーインターフェースがクラサバに比べて見劣りがします。
これに対して、RIAはクラサバとWebシステム、それぞれの良い面を持ったソリューションの提供が可能と考えていました。RIAの開発が出来る uniPaaSは、既に導入だけはしていたのですが、まだ開発には利用していませんでした。初めて利用するソリューションですので、適度な開発ボリューム の案件を探していました。そこにタイミングよく、案件として出てきたのが、資格管理システムの構築です。資格管理システムは、比較的他のシステムと連携の ない社内システムですので、最初の事例として適切との判断の下、RIAでの開発が決まりました。」
システム開発の基盤を作るためRIAを選択
セキュリティ、メンテナンス関連の事業を行うに当たっては、国家資格を有する従業員が必要な場合があります。同社では、情報関連や電気工事関連など、事業に関わる様々な資格を持った従業員がいますが、これまでは紙ベースで管理を行っていました。
「本社であれば、誰がどの資格を持っているか、ある程度把握できていました。しかし、資格によっては 期限があり、更新手続きが必要なものがあります。その管理ができていなかったため、機能として盛り込みたかった、というのがシステム構築を考えた理由の一 つです。あとは、紙で管理するのではなく、資格を取得した従業員が所属する事業所で端末に入力する形にし、データとして管理できるようにしたいと考えて いました。」(三宅氏)
一方、経理支払依頼システムをRIAに移行したことについて企画審査室情報システム課係長 平田 昌敬氏は、
「経 理支払依頼システムは、Magic V8のクラサバで構築していました。しかし、V8のサポート期間が終了したため、バージョンアップの必要性に迫られていました。現場からはこれまでと機 能的に全く同じシステムを構築して欲しい、という要望がありました。ちょうどuniPaaSがリリースされた頃でしたので、更新するのであれば今後のシ ステム開発の土台となるものを作ろうと考えて、uniPaaSを使ったRIAでの構築を選択しました。」
と、導入の経緯を語ってくれました。
クラサバでの開発と変わらぬ生産性でレスポンスの早いRIA
両システムの構築はほぼ同時期にスタートし、資格管理システムが先に次いで経理支払依頼システムがリリースされました。
これまでのクラサバとRIAとの開発の変化について三宅氏および平田氏は、次のように印象を話してくれました。
「作り方はかなり変わったという印象で、今までのコマンド等との対比を理解するのに少し時間がか かりました。しかし、一度理解してしまえば、これまでのクラサバの開発と同じように扱えます。Magicの特徴の一つである生産性の良さも、変わらないと 思います。導入時には、利用部門からのクレームもなく、トラブルなしでスムーズに稼動することができました。両システムとも、全国62拠点で利用されてい ますが、RIAにしてから、レスポンスはクラサバよりも速くなっています。」(三宅氏)
「今回の構築で、RIAを使って、クラサバと全く同じ動きが作れることがわかりました。RIAの 開発は、データベースのトラフィックを軽くする作り方を意識して構築することが、開発をスムーズに行うポイントです。今後、ユーザーインターフェースの充 実が要請されるようなシステムは特に、RIAで構築していきたいと考えています。」(平田氏)
今後の展開について、企画審査室情報システム課課長 岩澤孝二氏は、「RIA開発の試みは非常にスムーズに実現することができました。今後は、uniPaaSの機能を十分に活用し、WebシステムとRIAのすみ分けをうまく行って、システムを提供していきたいと考えています。」と、今後の導入にも意欲的です。