作業負担の軽減と効率化を実現。きめ細やかな情報配信をも可能に。
平成23年度、Magic uniPaaS®で構築した「青果物精算管理システム」を導入したJAてんどうの結城齊代表理事組合長にお話を伺う。
“これまでは、昭和50年代後半から使用してきたシステムを使ってきました。生産者の皆さんが出荷する生産物を持ち込むたび、出荷伝票に名前や番号などを記入していただいていました。
そ の手書き伝票を職員が回収して入力、という手順をとっていたわけですが、これが毎回となると生産者の皆さんにも、またその全てを入力する職員にとっても大変な負担になっていました。まして繁忙期ともなると、持ち込まれる生産物は膨大です。入力ミスも少なくありませんでした。
また、月2回ほど精算書を発行して職員が送付していたのですが、なかなかタイムリーにお届けすることができていませんでした。ですから入力ミスによる精算金額の間違いなどへの照合作業・対応にも時間を要し、システムの改善が求められていました。”
構想から新システムの導入まで、約一年半。「青果物精算管理システム」の導入により、作業負担の軽減と効率化が実現された。
“まず各生産者の皆さんには、「ふれあいカード」というICカードを発行しました。このカードには、各生産者の情報が入力されており、過去の出荷履歴などもわかるようになっています。
出荷の際は、生産者が各支所に設置されている端末で、ふれあいカードを使って出荷伝票を印刷します。全てタッチパネルでの操作ですので、生産者の皆さんも慣れてしまえば操作は難しくありません。
その後は職員がモバイル端末で、搬入された伝票のバーコードを読み取り荷受処理、格付け後データの再入力をします。その結果はタイムリーに各選果場の端末や 生産者の皆さんに配信されています。また精算処理に関しても、各支所の端末でふれあいカードで個人認証を行えば、生産者ご自身での印刷が可能となりまし た。
また大変好評だったのが、携帯電話への情報配信です。携帯のメールアドレスを事前登録して頂いた生産者には、その日の出荷青果物の格付け結果が日締め後に配信されます。生産者にとって自分が出荷した青果物の格付け結果は知りたい情報であり、タイムリーにその情報が届くことは安心感をも たらし、大変有益な結果につながっていると思います。
今回、「青果物精算管理システム」の導入により1拠点1名~ 1.5名の工数削減、市場に出荷するまでの時間の短縮などにもつながりました。”
新しい発想にも柔軟に迅速に対応が可能なMagic uniPaaS®
“Magicを使ってシステム構築をするメリットは、開発のしやすさです。開発スピードの速さも魅力のひとつではないでしょうか。
導入後、現場の職員によるテストや運用をしていくにつれ、『こういったことはできないのか。こうしたらどうか』と新しい発想の提案や、業務の更なる効率化のため改善が発生してきました。
こうした改善要望に一つ一つ丁寧に対応できているのも、Magic uniPaaS®のメンテナンス性の高さによるものです。”
また、タッチパネルの処理はリッチクライアント、ハンディターミナルの処理はC/S+ リモートデスクトップ、基幹系の処理はC/Sと、複数のアプリケーション形態がひとつのシステム内で共存・連携しています。しかも、リッチクライアントで 構築したタッチパネルでは、ICカード・指紋認証などの外部ハードウェアともうまく連動ができています。
Magic uniPaaS®のマルチデバイス対応ならではの技です。
「青果物精算管理システム」は、JAてんどう様と宮城県仙台市のテクノウイング株式会社様 とで共同開発されました。
“開発環境は、JAてんどう様のサーバにアプリケーションを置き、テクノウイングとはNTTのフレッツ・グループアクセスを利用 したプライベートネットワークで接続し、マイクロソフト社のVSS(Visual SourceSafe)を使用して共同開発しました。レスポンス的にも全く問題なく、それまではメールでやりとりしていましたがこれで開発効率がだいぶ向上しました。”
( テクノウイング株式会社 ソリューション事業部 取締役 部長 富永竜一様)
米穀や畜産にも対応予定
現在新システムは、青果物(野菜、果物、花)への対応であるが、
“これからも生産性の高いMagicの良さを活かし、現在の「青果物精算管理システム」をさらに効率良く、職員と生産者の双方にメリットをもたらすシステムへと発展させるとともに、今後は米穀や畜産にも導入していきたい。”
との展望を語ってくださったJAてんどうの結城代表理事組合長。これからの展開も大変楽しみなシステムだ。