保険営業支援ツールのRIAアプリケーション(PC・モバイル)をMagic xpaで開発
この度エフピーステージ株式会社(代表取締役 五島 聡氏)が提供する、保険営業のためのクラウド型 顧客コミュニケーションツール「カスタマー・ビジョン・サポート (CVS)」のシステム開発にMagic xpaが採用され、PC版RIA(リッチクライアント)アプリケーションが2012年12月に、モバイル版RIAアプリケーションが2013年3月に完成し、サービスの提供が始まっています。
特に携帯性の良さ、シンプルでわかりやすい画面を特長としたモバイル版RIAアプリケーションは、「使いやすい」との評価を得ています。
開発を手がけたMagicパートナー、ダイレクト・コンサルティング株式会社 マネージャー 那倉氏にお話しを伺いました。
アイディアやイメージを形にするアジャイル開発
「今回開発させていただいた『カスタマー・ビジョン・サポート(CVS)』は、エフピーステージ㈱ 五島氏からのご依頼で、昨今ネット保険や巨大な総合乗合代理店の登場で競争が激化している保険業界で、保険営業担当者の武器となりえる『使える営業ツール』を目指したものです。
五島氏は大手保険会社で全国でも指折りのトップセールスマンだった方で、独立後はそれまでのキャリアとノウハウを活かし、保険営業担当者を対象としたコンサルティングや研修を行っていらっしゃいます。
今回のシステムは、そうした五島氏のアイディアを形にした、保険営業の成功を支援するツールになっています。
開発は、PC版RIAアプリケーションから着手しました。開発期間は、2012年10月~12月の3ヶ月程です。五島氏のアイディアや全体イメージをヒヤリングし、プロトタイプ開発、動作の確認、検証、フィードバックを受けて修正、というプロセスを繰り返し行っていきました。
同様に、モバイル版RIAアプリケーションは2013年1月後半~3月の約2ヶ月で開発を行いました。
当初五島氏は、システムに精通していないことから自分のアイディアがどのようにシステム化されるのか、不安に思われている部分があったようでした。そのため随時プロトタイプを確認していだだき、認識のずれが生じないように、コミュニケーションをとっていきました。
そして逐次ご要望を取り入れながら、『柔軟な開発』を進めていくことで、信頼関係を築いていきました。」(那倉氏)
Magicの特性を活かしたアジャイル開発が、ユーザーのアイディアやイメージを上手に反映したシステム開発に貢献したようです。こうしたMagic の開発手法はアジャイル開発にも適しており、私たちは他にもアジャイルで進めているプロジェクトが多々あります。
保険営業活動の様々なシカケをサポートする3つの機能
CVSシステムは、顧客情報を一元管理して顧客への長期貢献を可能とする「ビジョンカルテ機能(顧客管理)」、定期的なコミュニケーション手段としての「メール配信機能」、欲しい顧客情報をすぐに検索・抽出できる「全文検索機能(SDF)」の3つの機能を備えています。
「ビジョンカルテ機能」とは、顧客管理機能です。顧客のパーソナル情報はもちろん、「住宅を購入したい、老後の生活資金が不安だ」など、ファイナンスや健康に関する悩みやビジョンを解決課題として登録管理することができます。顧客情報を広く管理することにより、お客様に有益な情報を提供して利益を得ていただく、顧客貢献のサポートを実現します。
PC版RIAアプリケーションで情報入力を行い、顧客訪問前の情報確認、また、外出先でも、タブレット端末で同じ情報を参照することが可能で、蓄積した顧客データを営業活動に有効活用することができます。
顧客との定期的なコミュニケーションの手段として使えるのが、「メール配信機能」です。一括配信はもちろん、顧客管理と連動しているため、条件を設定して特定の顧客のみに情報を送ることも可能です。
「全文検索機能(Smart Doc Finder)」とは、スマートフォン・タブレット端末対応の超高速全文検索・活用システムです。文章内の全てのテキストをフルインデックス化して、確実な検索ができるうえに、全てのページをサムネール化し、高速で検索、目で内容を確認して、目的のページだけを素早くダウンロード表示することができます。デバイスやOSに依存することなく、いつでもどこにいても3G回線などの低速回線でも、必要な情報を検索・閲覧できる機能です。
商品パンフレットはもちろん、お客様の契約内容や設計書、相続や税金に関する資料など、外出先でもタブレット端末で必要なときにすばやく閲覧することが可能で、社外活動が中心となる営業担当者にとって、大変便利な機能になっています。
モバイル版RIAアプリケーションの開発ポイント
「モバイル版RIAアプリケーション開発のポイントとなったのは、表示項目の選定とデザインです。モバイルアプリケーションの開発には、だれもが直感的に、快適に利用できるユーザビリティを考慮した画面設計が必須です。
そのために、表示情報の精査には時間をかけました。どこをそぎ取っていくのか、本当に必要な情報はどれか。ユーザーが求めるままに要件を増やしすぎると、動作が遅くて使いものにならない、ということになりかねません。
デザイン面では、指で押しやすい「大きなボタン」と「タップエリア」の確保がポイントになりました。
読むだけの項目であれば比較的小さな文字でも問題はないのですが、タッチエリアはある程度の大きさが必要です。プロトタイプを作ってユーザーに試していただき、改善していくことでユーザビリティの向上に努めました。
初めはとにかくシンプルにつくること、そしてエンドユーザーが使い慣れてきたら徐々に機能追加をしていくこと、これもポイントでしょうか。」(那倉氏)
そうして開発されたモバイル版RIAアプリケーションは主に、外出先で顧客情報の参照や顧客への商品説明に活用されています。
またタブレット端末ならではの地図情報と連携した「付近検索機能」が追加されており、現在の所在地から指定距離内の顧客を簡単に検索・表示することが可能です。効率的な営業ルートの作成や急にできた隙間時間を有効利用した営業活動をサポートします。
「この開発には、マジックソフトウェア・ジャパンが提供している iOSとAndroidに対応したアプリケーションテンプレートを 活用しました。 地図連携のサンプルプログラムが用意されていたので 非常に短期間で実装することができました。
今後このシステムを活用することで、保険営業担当者の業績アップにつなげていただけることを願っております。」(那倉氏)