“各種ERPパッケージソフトを検討しました。メーカーの担当者は、パラメーターの設定でノンカスタマイズでも使用できると言っていましたが、私の経験上、社内の業務に合わせるには、どうしてもカスタマイズが発生してしまうと思いました。
一方、社内の上層部からは、標準的なERPパッケージソフトを使い、パッケージに業務を合わせて業務内容を変えていった方が良いのではないかと云う意見もありました。
但し、今回のリプレースにあたっては、社内のユーザーや販売店の要望を取り入れて、使い勝手などを良くしてシステムを進化させることが、会社のメリットになると思い、ERPパッケージソフトを断念することにしました。
次にスクラッチ開発の2社の検討になりましたが、旧システムをMagic eDeveloper V9 Plus で開発していたため、ソースコードを分析してもらうことで仕様の説明をする必要がありませんでした。
また、生産性が高いことは旧システムの実績より把握していたので、本番リリース後のユーザーの改善要望にも対応できると思いました。見積金額も、もう一社のJavaのスクラッチ開発の半額程度だったので、Magic xpa のスクラッチ開発を採用することになりました。”
大規模システムが問題なく安定稼働
“リプレースしたシステムの規模ですが、プログラム本数が1,700本、テーブル数が550個です。大規模なシステム開発です。そんな大規模開発で一番工夫したことは、ユーザーにプロトタイプで早めに使ってもらい、要望を次々とあげてもらったことです。その結果、早い段階でシステムの軌道修正をかけられ、ユーザーの要望するシステムが実現できました。
もちろん、Magic xpaだからこそ、そのユーザーの要望を一つ一つ対応することができたと思います。他の言語だったら、多分2倍以上の工数はかかっていたと思います。
本番スタート後、多少の不具合が発生しましたが、ほぼ当日中に修正され、業務上何の問題もなく運用ができました。また、初月の月次処理も遅延なく処理が完了しました。この大規模なシステムでは素晴らしいと思っています。
また、当初問題になっていたWebシステムのレスポンスも、RIA(Rich Internet Application)に変更した結果、販売店のアクセスが集中しても遅延が無く安定して稼働しています。
今後の展開については、個別原価計算のシステムを構築し、製品一つ一つの実際の損益をはじき出せるようにします。最終的には予実管理までつなげていく予定です。”
▲システム概要図