SE不足が業界の大きな問題となっています。質も量も足りず、採用をかけてもなかなか集まりません。ERP構築においてもSE不足により、お客様から要求されているアドオンへのスムーズな対応が困難となっています。

そこで建設業向けERP「ガリバーシリーズ」を提供するあさかわシステムズ株式会社様はアドオン開発をノーコード・ローコードツールで開発すること決定。「Magic xpa」とクラウド型のノーコードツールを比較した結果、品質とコストで「Magic xpa」を選択しました。開発したアドオンは「運転日報システム」と「工事査定システム」。スクラッチでの開発と比較して、コストと期間ともに2/3で導入可能となっています。

 

あさかわシステムズ株式会社 東京支店 第2エリア営業部 テクニカルアドバイザー 永田博巳氏

建設業向けERP「ガリバーシリーズ」のあさかわシステムズ

ERPが一般化し中堅・中小規模企業でも導入されるようになり、業種に特化したパッケージが提供されるようになってきました。商社向けに特化したシステム、製造業向けや不動産向けパッケージなど、多彩なERPが見られるようになっています。業種特有の機能が標準装備されており、開発ベンダーもその業種・業界に精通していることから、安心して採用することができます。
あさかわシステムズ様は建設業特化型ERP「ガリバーシリーズ」を開発・販売・サポートまでワンストップで対応しているITベンダーとなります。「ガリバーシリーズ」は、案件発生から工事完成までの業務を一元管理し、累計導入数約1,000社というトップシェア※の実績を誇ります。同社は建設会社のシステム部門が独立したことから、現場に即応するきめ細かな機能が網羅されていることと建設業を熟知したSEが導入を担当することで知られています。
※東京 商工 リサーチ 調査 2022年

「おかげさまで大変多くの引き合いをいただいています。今ではSEが足りないほどです」と、永田氏は苦笑します。

アドオンにノーコード・ローコードツールを検討

今回の導入事例のエンドユーザーは、東京都中央区に本社を置く東興ジオテック株式会社様です。法面事業(斜面の緑化と安定化)、地中事業(軟弱地盤の地盤改良や構造物の基礎工事)、リフォーム事業(橋梁・各種構造物の補強補修)など、特殊工事の建設業者です。

それまで同社では経理・会計や工事管理、販売管理など複数のパッケージとエクセルを組み合わせて利用していました。しかし、会社の規模が拡大し、業務範囲が広がったことから、建設業に必要な業務処理をまとめて提供できるERPの導入を検討することにしました。

基幹システム刷新にあさかわシステムズ様を決定したのは2022年1月のこと。ガリバーシリーズのエンタープライズ版で対応することとしましたが、同時に「運転日報システム」と「工事査定システム」の制作も依頼しています。

「ガリバーシリーズ」の一部のデータをこれらシステムに連携する必要があり、建設業の基本的な業務であれば、カスタマイズで組み込むことが多いのですが、今回の場合は外付けのアドオンとしています。

 

「大変ありがたいことなんですが、当社SEは本体のERP開発で手一杯の状況です。社内でも検討を重ね、依頼された2本のシステムはノーコード・ローコード開発にすることとしました」と永田氏は経緯を語ります。

ノーコードツールと比較し品質で「Magic xpa」

DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)が潮流となって、アプリケーションを高速開発できるノーコード・ローコードツールが注目を集めています。あさかわシステムズ様は今回のアドオン開発がノーコード・ローコードで対応が可能と判断し、資料の収集とツールの絞り込みを行い、東興ジオテック様に提案を行いました。

 

最終候補となったのがクラウド型のノーコードツールとマジックソフトウェア「Magic xpa」でした。

「比較検討し最終的に選択したのが『Magic xpa』です。品質とコストの面から圧倒的に『Magic xpa』が優れていると判断しました」と永田氏は語ります。

まずは品質。当初はノーコードツールでお客様側でも作れるということで検討に入りましたが、品質は装備されている機能と開発スキルに大きく左右されます。お客様には開発した経験もスキルもほとんどなかったため、お客様が直接開発することとなると、お客様の負担となることはもちろん、機能や操作性、とりわけ画面回りなどが稚拙になる可能性がありました。

ノーコードといえども全くの未経験者にはハードルが高く、今回のプログラミングは部品をドラッグ&ドロップで配置するだけではなく、ある程度のプログラミング知識が必要な機能となります。複数のマスターを作ったり、同時に更新したり、このような処理になると、それなりの知識が必要となります。「結果的にお客様では開発は困難という結論に至りました」(永田氏)。

 

開発コストでも「Magic xpa」

だからといって、あさかわシステムズ様に開発する余裕はありません。SE不足は深刻です。そこで、マジックソフトウェアに依頼することになりました。プログラムを知り抜いている開発ベンダーが請け負うのであれば、高品質なアプリケーションが期待できます。

しかし、外注するとなると開発コストが問題となります。クラウドのノーコードツールの料金体系は機能やユーザー数によって異なり、東興ジオテック様の場合は、1ユーザーあたり月額1,500円、これが200ユーザーとなり月額30万円、年で360万円が必要でした。

「『Magic xpa』で外注する場合は、イニシャルコストとして開発費用がかかります。単純な比較はできませんが、5年間で比較して6~7割ほど『Magic xpa』が低価格であると分かりました」と永田氏は説明します。

『Magic xpa』は業務を知り抜いている現場のお客様がローコードで開発できるとしていますが、今回の事例のように、すべて開発ベンダーに依頼することも可能です。

 

優れた操作性と洗練された画面

アドオンシステムはMagic xpaによるWebアプリケーションの開発手法である「Web Client」で開発しました。ノーコードツールは決まったパターンの画面しか作ることができず、画面の見た目が工夫できないため、『Magic xpa Web Client』で作成したコーポレートカラーを採り入れた配色の画面を見て、その違いに驚いたのと、ノーコードツールは帳票回りが弱いため、『Magic xpa Web Client』ではEXCELでの帳票出力も容易に対応できたことは助かりました」と、永田様は評価。

通常、「ガリバーシリーズ」のクラウド版はMicrosoft Azureで提供していますが、東興ジオテック様には、「ガリバーシリーズ」とアドオンシステムの「運転日報システム」・「工事査定システム」をコストとスペック面から「Magic xpa powered by FJcloud」を選択しました。これはマジックソフトウェア・ジャパンが富士通のIaaSであるFJcloud-Oで提供しているサービスとなります。

「運転日報システム」は運転日時や走行距離、アルコールチェックなどを記録するもので、これは法令で定められており、社用車を利用する前後に記録し、週単位で上司のチェックを受けます。

「工事査定システム」は受注前に工事の内容や規模を査定する、社内のワークフローシステムです。共にiPad上のSafariで利用するWebアプリケーションです。

開発コストと期間ともにスクラッチ比2/3で構築

あさかわシステムズ様はこれまで社内開発を原則としていましたが、今回の経験により、アドオンを外部に委託することで、社内SEを本体のERP構築に専念させることができたのは大きな収穫となります。

「後からの比較になりますが、『Magic xpa Web Client』は当社社内でのスクラッチ開発に比べても2/3のコストと期間で構築することができました。何よりERPのアドオン構築でマジックソフトウェアと『Magic xpa Web Client』の選択肢が増えたことは大きな武器となります。このことが今回の事例の最も大きな効果です」と、永田氏は強調します。

 

お客様情報

設立 1984年7月4日
事業所 本社 大阪府泉佐野市りんくう往来北1番 SiSりんくうタワー

東京 東京都大田区大森北1-11-1 柳原大森ビル

福岡 福岡県福岡市博多区博多駅南1-8-12 博多駅南MTビル

資本金 6,480万円
従業員数 91名(2023年4月)

375名(グループ会社全従業員数)

事業内容 建設業・工事業向けのソフトウェア開発と情報サービスを提供。建設業・工事業の基幹業務向けのERPシステム「ガリバーシリーズ」は業界トップシェア。

クラウドサービス、コンサルティングサービス、IoT・RPA開発、Web対応ソフトウェア開発、保守・支援サービスなど。

URL https://www.a-sk.co.jp/

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