超高速開発(ローコード開発)では、従来型の開発とは違い、設計やプログラミングといった知識やテクニカルスキルの必要性は一般的な開発言語に比べると低いとされています。
しかし、超高速開発(ローコード開発)でこそ活かされる能力や経験、スキルというものが存在します。それでは超高速開発に求められるスキルとはどのようなものなのでしょうか。超高速開発(ローコード開発)で必要となるスキルについて考えてみましょう。
業務分析のスキル
超高速開発(ローコード開発)では、設計や実装(コーディング)、テストなどの下流工程はある程度自動化され、業務情報を要求仕様としてリポジトリに登録する作業が中心となるため、プログラミングや設計手法などのスキルよりも、正確な業務知識や業務分析などのスキルが重要となってきます。
特にユーザーサイドに立った経営やビジネスについての知識や、ユーザー企業の抱える経営上の課題や方針についての分析力や考察力が必要とされるのです。
豊富な業務経験や、ユーザー企業のビジネス、経営方針などを正しく理解し、システムに反映させる能力が重要になります。
データ中心発想のスキル
従来型のシステム開発においては、システムの観点からのデータ取り扱いや処理という発想になりがちでしたが、超高速開発(ローコード開発)では、豊富な業務経験があり、そこからこのようなデータが望ましい、といったデータ中心の発想ができる人材が求められるようになります。
従来型のシステム開発では、業務要件がシステム要件になるだけでなく、システム上の都合が業務に影響を与えることも少なくなかったため、業務プロセスとビジネスルールを切り離すことができませんでした。
しかし、業務プロセスとビジネスルールを分離して管理することが、超高速開発(ローコード開発)においての重要な考え方となっているため、業務プロセス設計やビジネスルール設計といった、企業のビジネスの根幹となる知識やスキルが必要となるのです。
コミュニケーションのスキル
従来の労働集約型なシステム開発においては、ITスキルが高く、ドキュメントとの間で自己完結的に仕事を進めるタイプのエンジニアでも十分に役割を果たすことが出来ました。
しかし、超高速開発(ローコード開発)においては、チームワークで仕事を進められることが必要となってきます。
また、変更や改善を当然のこととして受け入れられることが必要になってきます。
従来型のシステム開発では、変更や改善は工数を増加させ、大きな負担となるものでした。
そのため、プロジェクトの置かれた状況によっては、変更や改善を受け入れることがプロジェクトの破綻を招くことになりかねませんでした。
一方、超高速開発(ローコード開発)では、変更や改善は必然としてとらえ、間違いの指摘や、変更要求を喜んで受け入れられる心や態度が重要なスキルとなってきます。また、相互の情報連携が活発なマトリックス型の組織体制が必要となります。
よりスピーディに情報を連携し、変化に対応していくためには、相手に共感する力や逆に共感を引き出すようなコミュニケーション能力が求められます。
従来型のシステム開発においても、コミュニケーション能力は必要とされてはいますが、超高速開発(ローコード開発)においては、違う観点からより重要な役割を果たすことになるのです。