超高速開発(ローコード開発)に欠かせないものといえば、業務アプリケーションのロジック定義や画面・帳票作成ツールなど、開発支援ツールが挙げられます。

最近では、プログラム開発といった単独の機能だけではなく、設計からテストまで、開発全体の工程を一括で管理できるような多くの機能を備えた超高速開発ツールが作られるようになり、様々な種類の超高速開発ツールが様々なベンダーから提供されています。

今回は超高速開発のキーとなる、超高速開発ツールについて説明していきます。

 

超高速開発(ローコード開発)ツールでできることとは

各種ツールによっても違いがありますが、超高速開発ツールが持っている主な機能としては、以下のようなものが挙げられます。

 

(1)仕様の管理

超高速開発ツールでは、ユーザーインターフェースとしての画面の要求仕様や、扱うデータのデータ仕様とその処理、システム上で行われる業務のフローなどの業務仕様をデータベースやリポジトリに格納し、変更管理・世代管理・履歴管理といった管理を行うことができます。

このような仕様管理機能によって、利用者は常に正しい仕様情報を把握することができ、急な仕様変更にも柔軟に対応することができます。

 

(2)コード自動生成型と、実行エンジン型

超高速開発ツールには、大きく分けて2つのタイプがあります。1つは、業務仕様情報に基づきシステムの設計からソースコードを自動で生成するコード自動生成型です。

もう1つは、リポジトリに定義されたアプリケーションのメタデータ情報をツール独自の実行エンジンで動作させる実行エンジン型です。

 

(3)テストの設計、自動実行

超高速開発ツールの中には、コーディングだけでなく、テストの設計や実施、結果の精査なども自動で行うことができるテスト自動化ツールもあります。

特にテストは、従来型の開発ではその工数の多くを占め、コストや納期を圧迫する大きな要素となっており、テスト自動化ツールによって生産性を向上する大きな要素となっています。

 

(4)ドキュメントの作成

従来型の開発においては、要件定義書、仕様書、設計書、テスト仕様書といった工程ごとの成果物として、また情報管理や開発の根拠となるものとして、各種のドキュメントを作成します。

しかし、超高速開発ツールによる開発では、それらの情報を全てデータベースやリポジトリで管理しているため、ドキュメントの作成のための工数を削減できます。

情報の可視化として、それらの情報をドキュメントのような形で出力できるものもあり、必要に応じてドキュメントを自動生成することもできるのです。

 

超高速開発(ローコード開発)ツールの特徴

超高速開発ツール(ローコード開発)の特徴として特に象徴的なものは、要求される業務仕様などの必要最小限の情報の入力を起点として、その後の情報や進捗の管理を全て一括で一元管理できることです。

それによって常に情報の整合性が保たれ、いつでも正しい情報が把握できるため、業務変更などによる仕様の変更などにも柔軟に対応できるのです。

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