スマートフォンやタブレットの普及率の向上に合わせて、企業の情報システムのマルチデバイス対応の必要性が高まってきています。
海外に比べれば低いものの、日本でもスマートフォンの普及率は45%、若年層では80%を超えていると言われています。
また、タブレットについても4人に1台の割合で普及しているとされています。
そんな中、業務アプリケーションのモバイル対応は必然的な流れともいえるでしょう。
業務アプリケーションのモバイル対応のメリットや開発方法、開発時の注意点などをご紹介していきましょう。
モバイル対応で生まれる生産性とは
スマートフォンやタブレットのようなモバイルデバイスは、時間や場所などの制約にとらわれないため、リアルタイムに情報をやり取りできます。そのため、ビジネスをよりタイムリーにスピーディーに進めることができるでしょう。
これまでの社内に固定されたデスクトップPCなどの特定の場所でしか業務が行えないシステムでは、時間や空間の制約があるため、常に迅速で適切な対応が出来るとは言えません。
本来業務アプリケーションなどの情報システムは企業のビジネスをより迅速に効果的に進めるためのツールであるべきですが、それが時間や空間の制約によって企業活動の適時性や迅速性を制限してしまうことになれば、その存在意義自体に問題が出てきてしまいます。
現代では、ビジネス環境の変化はより目まぐるしくなり、IT技術の発展も加速しています。
それらを適切に取り入れ、業務改善と生産性向上を図る上で、モバイル対応・マルチデバイス対応は欠かせない要素となってきているのです。
モバイルにも対応した業務アプリ―ケーションの開発方法
モバイル対応の業務アプリケーション開発において必要なことは、ワンソースでマルチデバイスに対応可能であること、開発工程が短く、仕様変更や修正に素早く対応できること、基幹システムとして耐えうるだけの機能性や信頼度を担保できることなどが挙げられます。
これらの条件を従来のウォータフォール型開発方法で満たすことは大変困難なことだと考えられます。
そのためにも、マルチデバイス対応のモバイルアプリケーション開発ツールの活用などが必要になってくると考えられます。
モバイルアプリ開発時に注意が必要なこと
モバイルアプリケーションの開発においては、通常のアプリケーション開発と異なる注意点がいくつか存在します。
・デバイスやOSが多様化しているため、マルチデバイス対応が必要となる。
・ネットワーク環境(特に無線通信など)に依存するため、レスポンス性能などの課題が発生しやすい。
・デバイスやOSの世代交代が速く、常に対応を迫られる。
・業務アプリケーションのモバイル化イメージをユーザーがイメージできていないことが多く、紙ベースでの開発となり、要求仕様をまとめにくく、使い始めてから要望が出る事も少なくないため、開発後に頻繁に修正が必要になることがある。
・モバイルデバイス側のアプリケーション開発とサーバー側の業務処理のそれぞれを別々に開発する必要があり、ネットワークやクラウドを含めそれらの連携処理を考える必要がある。
早期対応に迫られ強引に開発してしまうとリスクが非常に大きくなります。業務アプリケーションのモバイルアプリ開発を進める前には注意点をきちんと把握し、計画的に進めましょう。