2024年4月25日に、「【SIer向け】慢性的なSE不足に対抗するローコード開発導入 〜開発環境を変え生産性を高めるローコード基盤を使ったビジネスモデルとは?〜」と題してセミナーを開催しました。今回はその講演内容のポイントについてご紹介します。
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■エンジニアリングの効率と精度を革新~受託システム開発で人材不足を克服するローコード技術の導入~
現在、受託システム開発業界では、技術者の不足が深刻化しています。この記事では、ローコード技術がどのようにしてこの人材不足を解消し、効率的な開発を可能にしているのかを探ります。
まず、IT人材不足の現状についてです。労働者人口が減少する中で、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していますが、特に中堅中小企業ではその取り組みが遅れがちです。経済産業省の資料によると、2030年には約3080万人のIT人材が不足する見込みです。この状況に対処するために、ローコード開発ツールの活用が期待されています。
ローコード開発ツールは、開発時間の短縮、コスト削減、そして競争力強化に繋がる優れたツールです。具体的に、ローコード開発ツールは以下の方法でこれらの課題を解決します。
まず、開発時間の短縮についてです。ローコード開発ツールは、プログラミングの知識が少ないユーザーでも使いやすいインターフェースを提供しています。これにより、従来のコーディングに比べて迅速にシステムを構築できます。また、視覚的な開発環境を提供し、開発者がコードを直接書く必要がないため、作業時間が大幅に削減されます。
次に、コスト削減です。ローコード開発ツールを使用することで、専門的なプログラミングスキルを持つ多くのエンジニアを必要とせずにアウトプットを増大させることができます。これにより、人件費の削減が可能となるだけでなく、開発プロセスの効率化が進むことで、開発コスト全体の削減も期待できます。
さらに、競争力強化についてです。ローコード開発ツールは、迅速な開発サイクルを実現することで、企業が市場の変化に素早く対応できるようにします。例えば、新しいビジネス要件や顧客のニーズに応じて、迅速にシステムを改変・拡張することが可能です。この柔軟性は、競争が激化する市場での優位性を確保する上で非常に重要です。
また、ローコード開発ツールは、内製化を促進するツールでもあります。企業内のITチームが直接システムを開発・運用できるため、外部ベンダーに依存することなく迅速に対応できます。これにより、プロジェクトの遅延を防ぎ、効率的な運用が可能となります。
以上のように、ローコード開発ツールは、開発時間の短縮、コスト削減、競争力強化を実現するツールとして、受託システム開発業界に大きな変革をもたらします。マジックソフトウェア・ジャパン株式会社は、この革新的なローコード開発ツールである「Magic xpa」を通じて、SIerや企業の情報システム部門の皆様が直面する課題を解決し、より効率的かつ競争力のあるビジネス環境を提供しています。
■ローコード開発ツールを用いた効率的なシステム構築とその位置づけ
システム開発の現場では、高速での変更対応とコスト効率が常に求められています。ローコード開発ツールを通じてこれらの課題にどのように対処しているのか、その方法と効果を掘り下げます。
ローコード開発ツールには、大きく分けてコード生成型と実行エンジン型の2つがあります。それぞれに利点と課題があり、システム開発の現場での適用方法が異なります。
コード生成型のローコードツールは、開発者が定義した設計情報から自動的にソースコードを生成します。この方法は、比較的簡単に始められる一方で、生成されたコードに対する修正が必要になると、その都度コンパイルやビルドが求められます。このプロセスが頻繁になると、時間がかかる上、ツール自体の制約から機能が不足しがちです。さらに、過度なカスタマイズは保守性を低下させるため、実務での使用には慎重さが求められます。
一方、実行エンジン型のローコードツールは、設計情報を定義し、そのまま実行できるエンジンを持っています。このアプローチでは、設計情報がリポジトリに一元管理され、修正が迅速かつ簡単に行えるのが特徴です。コンパイルやビルドを必要とせず、即座に実行して確認できるため、反復的な開発が効率的に進みます。特に、複雑な業務ロジックやトランザクション処理もツール内で完結できる点が大きな利点です。
実行エンジン型のローコードツールは、内製ツールとしてだけでなく、SIerが顧客に対して提供する製品やサービスとしても有効です。カスタマイズが簡単で高品質なシステムを短期間で構築できるため、顧客満足度を高めながら、SIerとしてのビジネスチャンスも拡大します。さらに、少人数でのプロジェクト運営が可能で、コスト削減と利益確保が実現できる点も見逃せません。
このように、ローコード開発ツールの適用により、システム開発の効率化とコスト削減が実現できます。特に実行エンジン型のツールは、その柔軟性と機能性から、多くの企業にとって有力な選択肢となるでしょう。
■高速開発を支えるMagic xpaのSI適用事例と、他のローコード開発ツールとの効果比較
ここからは、高速開発を実現するためにローコード開発ツールが、どのようにSI業界で活用されているかを詳しく説明します。
Magic xpaは、近年、SI業界で注目を集めています。その理由の一つは、法令改正や業界特有の仕様変更に迅速に対応できる点です。特に、タクシー業、酒屋、商工会議所、カラオケ業界など、多様な業種でパッケージソフトが開発され、各業界でトップシェアを誇る製品も少なくありません。これらのパッケージソフトは、複数のクライアントに横展開され、ビジネスの拡大に大きく貢献しています。
パッケージソフト開発において、Magic xpaのメリットは多岐にわたります。特に法令改正が頻繁に行われる業界では、従来のコードベースの開発では修正が間に合わないことがあります。しかし、Magic xpaを使用することで、迅速に修正を行い、法令改正に対応することが可能です。これにより、他のパッケージソフトとの差別化を図り、競争力を高めることができます。
さらに、業界独自の仕様やクライアントごとの特別な要求に対しても、きめ細かいカスタマイズが可能です。言語ベースでの開発に比べ、短期間でカスタマイズを完了させることができるため、効率的です。また、新しいOSへの移行やシステムの老朽化に伴うアップデートも簡単に行えます。これにより、既存のアプリケーションを新しい環境に移行する際の負担が軽減されます。
Magic xpaのもう一つの魅力は、中小企業への導入が容易である点です。PC1台からスモールスタートが可能で、WindowsPCのデスクトップアプリケーション作成に対応しています。小規模システムからエンタープライズレベルの大規模システムやB to C向けのWebアプリケーションにも対応している点が、他のローコード開発ツールでは見られない特徴です。また、帳票作成では、日本企業のニーズに応じた細かいデザインが可能で、高い評価を得ています。
弊社のパートナー企業であるアスコット株式会社は、ERPパッケージ「ASPAC」シリーズを開発し、特に中小企業向けに提供しています。このシリーズは500社以上の企業に導入されており、製造業向けの生産管理システムや卸売業向けの販売管理システムなど、多様な製品ラインナップを持っています。アスコット社は、顧客のニーズに応じたカスタマイズを安価に提供し、新しいOSへの移行もスムーズに行えることから、高い顧客満足度を誇っています。
Magic xpaを使用することで、フルスクラッチ開発や従来の言語ベースの開発と比較して、初期コストを抑えながら高品質なソフトウェアを迅速に提供することが可能です。例えば、CやJavaを使用したパッケージ開発と比較すると、Magic xpaを用いたカスタマイズはコスト効率が高く、短期間で顧客の要望に応じたソリューションを提供することができます。これにより、他社との競争においても価格面での優位性を持ち、より多くの利益を確保しやすくなります。
また、Magic xpaを使用することで、パッケージソフトのビジネスモデルにおいても新たな可能性が広がります。多くのパートナー企業が、コアとなるパッケージをベースに、顧客の業務ニーズに応じたカスタマイズやアドオン開発を行っています。このアプローチにより、初期コストを抑えながら、顧客にぴったり合ったシステムを提供することができ、競争力を高めています。
アスコット株式会社の事例では、同社が開発したパッケージソフトが中小企業に広く採用されており、その成功の一因として、Magic xpaの活用が挙げられます。特に、新しいOSへの移行が容易であることや、1回作ったアプリケーションを新しい環境にスムーズに移行できる点が、顧客との長期的な関係構築に寄与しています。このように、Magic xpaは、パッケージソフトの開発とカスタマイズにおいて、効率性とコスト効果の両立を実現し、SIerにとって非常に有益なツールとなっています。
高速開発を支えるMagic xpaは、SI業界におけるスピード、コスト効率、カスタマイゼーションのすべてにおいて効果的であり、他ツールとの比較においてもその優位性が明確です。
■さらにビジネスを発展させるためのローコード開発ツールMagic xpaの活用
Magic xpaを活用することによる受託開発ビジネスにおいて、当社のツールがどのように役立つかを紹介します。Magic xpaは、企業がスピーディにアプリケーションを開発し、リスクを削減しながら品質を一定に保つことを可能にします。エンジニアのプログラミングスキルレベルとの依存性が低いため、品質のばらつきがなく、バグの発生リスクも低減されます。さらに、スパイラル開発を取り入れることで、顧客と確認しながら開発を進めることができ、手戻りのリスクも軽減されます。
また、Magic xpaを活用した受託開発では、PoCやプロトタイプ開発の容易さが大きなメリットです。ユーザの要件が未確定な段階でも、短時間でそれほどコストをかけず実際に動かすことができるプロトタイプを作成することで、要件や目的が明確になり、より優先度の高いシステムからアジャイル開発を開始することができます。この方法により、スモールスタートが可能となり、初期投資を抑えながらも着実にビジネスを展開していくことができます。
実際の事例として、永谷園様の賞味期限確認システムが挙げられます。このシステムはiPadとOCR技術を活用し、簡単に賞味期限の確認ができるように設計されています。プロトタイプとスパイラル開発の手法を用いることで、ユーザーの要望に応じた迅速な修正が可能となり手戻りのリスクを抑えられるため、最終的に高品質なシステムが提供されました。
さらに、Magic xpaを活用することで、開発プロセスが効率化されるため、エンジニア一人当たりの生産性が向上し、結果的に利益率の高いビジネスが実現します。コードの記述量が減少することでバグの発生リスクが低下し、開発期間の短縮が可能となります。これにより、企業は迅速に市場の変化に対応し、新しいビジネスチャンスを捉えることができます。
人材育成の面でも、ローコード開発ツールの利点は顕著です。エンジニアが迅速に上流工程にステップアップできるため、設計や要件定義などの高度な業務に従事する時間が増え、より付加価値の高い仕事に取り組むことが可能です。これにより、企業全体の競争力が強化され、持続的な成長が期待できます。
さらに、Magic xpaはアプリケーションの資産を長期間にわたり活用することができるため、一度開発したシステムを新しい環境に移行する際にも大きなコストをかけずに済みます。例えば、旧OS上で動作していたシステムを最新のOSに移行するプロジェクトにおいても、Magic xpaの強力な移行サポート機能により、迅速かつ確実に対応することができます。
当社のMagic xpaは、多様な業種や規模の企業に利用されており、その汎用性と強力な機能により、多くの顧客から高い評価を得ています。無料のハンズオンセミナーや体験版を通じて、ぜひその実力を体験していただきたいと思います。実際のプロジェクトに取り組む際には、当社のスタートアップサービスを活用することで、スムーズな導入と成功をサポートします。これにより、貴社のビジネスをさらに発展させるための強力なパートナーとなることをお約束いたします。
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視聴時間 53分23秒