最近では、EAIやWebアプリケーション、SOA、クラウドなどの技術の進歩を受けて、それらの課題点を克服するアイテムとして、データ連携に特化したツールの開発が活発化してきています。
データ連携ツールの強みは、連携すべきデータを一元管理できるだけでなく、様々なフォーマットやアプリケーション間のデータを自在に繋ぐことができるという点にありますが、そのほかにも、プログラミングレスに利用できる、標準でクラウド対応している、ビッグデータ対応可能などの特色があります。
コーディング不要、ユーザー主体で開発工程が進められることも多くのメリットをもたらしてくれるでしょう。
今回はそんなデータ連携ツールの魅力についてご紹介しましょう。
コーディングを必要とせずにUI上での繋ぎこみができる
前述したとおり、データ連携ツールの多くには、コーディングが不要となるため、プログラミングの手間やプログラマーの人件費などのコスト削減の効果が見込めます。
コーディングが不要であるため、技術的難度が低く、技術的な支援が必要となるかもしれませんが、エンジニアでなくとも開発が可能となります。
そのため、従来の技術者主体ではなくユーザー主体で開発が進められるため、よりビジネス要件に合わせたスピーディーでタイムリーなデータ連携を実装することが可能になることも大きな魅力のひとつといえるでしょう。
リアルタイムでの連携が可能
これらのデータ連携ツールは、連携対象となるデータやシステムに応じたアダプターを搭載しており、様々なフォーマットのデータに対応できるほか、データ連携のコントロールトリガーを各種装備していることで、状況に応じたタイムリーな連携やリアルタイムでの連携が可能になっています。
データ連携のリアルタイム性やタイムリーさは、現場での業務や処理の効率化やコスト低減が見込めるだけでなく、現在の変化の激しいビジネス環境にも対応でき、企業のビジネスの大いなる手助けとなるかも知れません。
追加の連携にも素早く対応できる
様々なフォーマットやアプリケーションに対応したアダプターを実装していること、データ連携の煩雑さを解消したシンプルかつ最適なデータ連携の仕組み、コーディング不要のGUIのユーザーインターフェースにより、新たにシステムへのデータ連携を追加する場合でも、データ連携にかかる手間や工程を大幅に抑えることができることから、迅速な対応が可能となります。
データ連携とシステム連携の違いは?
「データ連携」ではなく「システム連携」または「システム間連携」と言われる場合がありますが、この違いは何でしょうか?
システム連携では、単にデータを右から左に受け渡すだけでなく、前処理を行ったシステムの結果をトリガーに別システムの後処理を開始する。またその結果によって条件分岐し後処理の内容を変えるといったことも行うことがあります。
つまり、システム連携ツールは、複数システムをまたいだ業務処理プロセスまでを自動化するブローカーの役割を果たします。
この仕組みのことを「システム・オーケストレーション」と呼ぶこともあります。
データ連携ツールにおいては、ユーザー主体で開発が進められることや、トライアンドエラーの繰り返しによって反復方式で開発できることで、仕様を固めたり、成果物の精度に注力したりする必要もなく、作業の手戻りも最小限に抑えられるため、追加の対応のみならず、開発全体をスピーディーに進められることが最大のメリットと言えるかも知れません。