私的デバイスをビジネスで使用するBYODは、海外において主流のスタイルとなりつつあります。
日本でも2011年ごろからスマートフォンやタブレットの普及に合わせて概念として広まりましたが、現時点で実際に採用している企業は少ないのが現実です。
海外ではすでに主流となりつつあるBYODはなぜ日本では普及しないのでしょうか。
BYODの特徴やそのメリット・デメリット、導入するにあたって重要なことなどご紹介していきます。
BYODとは
BYODとは、従業員が個人保有する機器(デバイス)を職場等で業務に使用することを指す言葉で、簡単に言えば私物のスマートフォン、タブレット、ノートPCなどのデジタル機器を使って会社の仕事を行うことを示します。
BYODのメリット、デメリット
BYODのメリットとしては、個人所有の機器を活用することにより、会社が所有する機器を削減できるため、コスト削減の効果が期待できることが挙げられます。
また、従業員自身にとっても、自分で選び、使い慣れた機器を使って業務を行うことによる作業の効率化や、私用と社用の機器を2重に持つことによる不便さや管理の煩雑さから解放される、といったメリットがあります。
デメリットとしては、私的端末にプライベートな情報と業務情報が共存することになるため、情報セキュリティやプライバシーの保護といった情報管理上の問題が発生します。
また、私的端末を業務環境に接続する際の接続方法やそのセキュリティなどもリスクとなる可能性があります。
さらに、個人の趣味趣向による部分が大きくなるため、社員それぞれのデバイスの種類が多様化する可能性が高く、各種デバイスに対応可能である必要が発生します。また、対象となる機器の保守費用や電気代通信費などの維持費に関しては、プライベートとビジネス部分を分けることが出来ないため、そういった費用を個人・会社のどちらがどう負担するのかといった問題も存在します。
BYODが抱えるセキュリティ問題
個人所有の機器であるため、プライバシーの観点からも完全な情報管理や使用制限などがかけられないため、社内などの社用の機器に比べてセキュリティリスクは高くなります。
また、私的利用時のウィルス感染や、紛失・盗難がそのまま情報漏えいに繋がってしまうといったリスクも。
一方で、自分の財産であるため、支給された機器よりも大事にする、個人のセキュリティに対する意識が高まる、といった意見も存在します。
BYODを実現するために必要なのは、社内規定の制定が重要
BYODには多くのリスクがありますが、それらに対応することが出来れば大きなプラスを生んでくれるものでもあります。
BYODを実現する上で重要になってくるのは、情報管理やセキュリティ、維持費用、トラブル発生時の対応などについて、従業員・会社それぞれの役割・責任を明確にし、徹底することが出来るかどうかにかかってきます。
そのためには、それらを社内規定として明示し、ルールに沿った活用を行う必要があるでしょう。